福岡地方裁判所 平成9年(わ)88号 判決 1997年5月08日
被告人
本店の所在地
福岡県田川市大字伊田三五三五番地の一
商号
有限会社 大場組
右代表者代表取締役
大場浩二
被告人
本籍
福岡県田川市大字伊田四四四四番地
住居
福岡県田川市大字伊田三九〇九番地の五
職業
無職
氏名
大場幸雄
年齢
昭和二年八月二一日生
主文
被告人有限会社大場組を罰金一七〇〇万円、被告人大場幸雄を懲役一年に処する。
被告人大場幸雄に対し、この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。
訴訟費用は、被告人有限会社大場組及び同大場幸雄の連帯負担とする。
(罪となるべき事実の要旨)
被告人有限会社大場組(以下「被告会社」という。)は、本件当時、福岡県田川市大字伊田四四〇七番地の二に本店を置き、土木建築工事請負業を目的とする会社であり、被告人大場幸雄は、同会社の取締役会長として、その業務全般を統括していたものであるが、被告人大場幸雄は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、工事収入の一部を除外し、未成工事支出金を完成工事原価に振り替えて所得金額を圧縮するなどの方法により所得を秘匿した上
第一 平成三年九月一日から同四年八月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が四七七七万六九六九円であったにもかかわらず、同四年一〇月三〇日、福岡県田川市新町一一番五五号所在の田川税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が四一七万五八二〇円で、これに対する法人税額が一一六万九〇〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額一七一五万六〇〇〇円と右申告税額との差額一五九八万七〇〇〇円を免れ
第二 同四年九月一日から同五年八月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が四四一〇万二七六六円であったにもかかわらず、同五年一一月一日、前記田川税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が七六五万六八八八円で、これに対する法人税額が二一四万三六〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額一五七七万八二〇〇円と右申告税額との差額一三六三万四六〇〇円を免れ
第三 同五年九月一日から同六年八月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が一億一五七六万八三二〇円であったにもかかわらず、同六年一〇月三一日、前記田川税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が一七一七万三六六四円でこれに対する法人税額が五六七万九八〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額四二六五万三〇〇〇円と右申告税額との差額三六九七万三二〇〇円を免れ
たものである。
(適用した罰条)
判決行為 第一ないし第三の各事実につきいずれも
被告会社につき 法人税法一六四条一項、一五九条一項、二項
被告人大場幸雄につき 同法一五九条一項
刑種の選択 被告人大場幸雄につき懲役刑を選択
併合罪加重 被告会社につき、刑法四五条前段、四八条二項
被告人大場幸雄につき 刑法四五条前段、四七条本文、一〇条
刑の執行猶予 被告人大場幸雄につき刑法二五条一項
訴訟費用の負担 刑事訴訟法一八一条一項本文、一八二条
(裁判官 川口宰護)